へその
ゴマならぬ、
柿の
ゴマについて。
渋味の原因は、正確には
タンニン性物質、シブオール(いかにも渋そう)です。
このシブオールが消えるか、あるいは水溶性から不溶性になると渋くなくなりますが、
不溶性(唾液にとけない形)になって固まったのが、俗にいう
ゴマ(褐斑)です。
ゴマが入っていれば渋が抜けた甘い
柿であるといえます。
ところで、この
ゴマが甘渋判定機で甘渋を選別する重要な要素になっています。
柿に可視光線を当てると、
ゴマができている場合は
タンニン細胞が光線を吸収するので、
透過光が少なくなります。一方、まだ渋みが残っていると、
タンニン細胞が褐変していないので、渋い部分が透けて赤く見える仕組みです。
でも、この機械は、
タンニン細胞が褐変する不完全
甘柿だけしか使えません。
さて、ここからはちょっと専門的な話になります。
ふつうの場合、人では可溶性
タンニンの量が 0.5 %以下では甘く、
以上では渋く感じられます。
また、
甘柿品種の中には含まれる種子の数より、甘・渋の違いが生まれるものがあります。
そこで、
柿は詳しくは次のように4つに分類することができます。
・完全
甘柿=種子の有無にかかわらず熟し、甘くなるもの。富有、次郎など。
・不完全
甘柿=種子の数が多いと、甘く、種子の数が少ないと渋くなる。西村早生、禅寺丸など。
・完全渋
柿=種子の有無にかかわらず、常に渋いもの。蜂屋、西条など。
・不完全渋
柿=渋
柿ではあるが、わずかに種子が入ると、種子の周囲に
ゴマができて、
その部分が甘くなるもの。平核無、会津身不知。
それから、
柿の花の性は品種により違っていて、雌花、雄花、完全花と別個に3種類あります。
雄花は雌芯を、雌花は雄芯を各々欠如した花。完全花は雌芯と雄芯両方あって、
結実可能な花をさし、雌花の結実したものより小型になります。
・雌花のみ着生=富有、次郎、平核無
・雄花のみ着生=カキにはなし、君遷子(豆ガキ)。雌雄異株。
・雌花、雄花ともに着生=禅師丸、西村早生、筆
柿。
・雌花、雄花、完全花ともに着生=夫婦
柿、正月など極少数
うーん、かなり難しいですね。でも、
柿って奥が深いでしょう?
●渋を抜いた
柿と、
甘柿の見分け方
あるお店の方から、「渋を抜いた
柿と
甘柿との見分け方」について質問が寄せられました。
そこで、ある果物屋さんにきいてみると、
「品種で覚えるしかないのではないか」との答えでした。
今度は、卸売市場の果実担当者にきいたところ、
「東京市場に出回っている渋
柿の半分は平核無(山形のおけさ
柿、和歌山の刀根
柿)なので、
その特徴を教えてあげればよい」とのことでしたよ。
平核無の特徴は四角い形で、果実の上側が包丁で切ったように平べったく、
腰が低いことです。
同じ四角い形をしているものでも次郎
柿は丸みをおびて
ゴツゴツした感じになります。
一方、
甘柿の富有
柿は果実全体が丸くなっています。
西村早生も不完全
甘柿ですが、分類では
甘柿になり、丸い形をしています。
百目
柿や蜂屋などとんがった
柿は渋
柿が多いといえますが、
中には筆
柿のような
甘柿もあります。
「四角くて、果実の上が平らで、高さが低いのは渋を抜いた
甘柿。
とんがった形のは渋を抜いた
甘柿が多い」という答えれば、
お客さんは納得してくださるでしょうか。